ヴァランセ
◆ヴァランセの歴史
ヴァランセは、フランスのほぼ中央部にあるロワール河流域のヴァランセ村で作られるチーズである。独特な四角錐をしており、この形には逸話が残されている。
※元々のヴァランセはピラミッドの形をしていたものが、エジプト遠征に失敗したナポレオンの怒りを買って切り落とされたのだと言われている。
◆ ヴァランセの特徴
無殺菌の山羊乳から作られる製品(AOC)のみが『ヴァランセ』と呼ばれ、それ以外の製品は『ピラミッド』という商品名になる。
表面に灰がまぶされているため黒く、きったときの白と黒のコントラストが美しいチーズ。この灰がまぶしてあるのは山羊の乳のチーズ独特の酸味を和らげたり、濃厚な味わいのカビを定着させるためである。
熟成が進むと表皮が黒からグレーに変化する。熟成しきったものは硬く、ポロポロと崩れるようになる。春の終わりごろから作られ始め、秋になった頃が特においしいチーズ。
このような製造過程の特徴から、熟成が進む前はさわやかな酸味があり、熟成が進むにつれて強い風味が出てくる。一番の食べごろは全面がカビで覆われたタイミングである。