モン・ドール

モン・ドールの歴史

 モン・ドールは、フランス及びスイスの伝統的なチーズである。毎年8月15日~3月15日の間だけ生産され、9月10日~5月10日まで販売される『季節のチーズ』である。期間限定の理由は、モン・ドールは暑さに弱く、痛みやすい為に気温の高い夏季は生産に向いていないからである。
 フランスとスイスの国境付近、ジュラ山脈の周辺で手作業で生産されており、この場所にある山の名前からモン・ドールという名前になった。

モン・ドールの特徴

 ウォッシュタイプのチーズ。定期的に塩水で表面を拭きながら熟成させる。この作業により、表面にはクリーム色~オレンジ色の表皮が形成され、また表面に敷布の布目が移る。まれに表面に白カビが生えることがあるが食用上無外なものである。
 市場に流通される場合にはモン・ドールは丸い木箱に詰められる。これは、熟成したモン・ドールは非常に軟らかく、エセピアの樹皮やこの木箱がなければ形を維持できないからである。そのため、食す際にはスプーンで中身をすくうことが多い。